君と過ごした100日間は。

転入生 雪菜side



最近寒くなってきたこの街の道で、私、芦川雪菜は全力疾走で走っていた。


「やばいやばいやばいやばい・・・っ」


昨日、親友の美優と転入生の電話を夜中までしていて、朝寝坊してしまった。

今日から10月。

後期が始まるのに、1日目から遅刻なんて嫌だ!

なんて思いながら、走っていた。


私は、中学2年生。

髪は背中ぐらい長い黒髪ストレート。

おまけに、前髪はパッツン。

まるで日本人形みたいな感じ。

そんな長い髪を揺らしながら、私は息をするのも忘れるぐらい急いでいた。


学校が見えてきて少しホッとしたあと、校門の前にいる見かけない男の子が視界に入る。

遠くから見たら背も小さいし、制服だって新しいから、1年生だと思った。

でもだんだん近づいていくと、遠くで見たよりも背が高くて同じぐらいの歳かなと思う。


「・・・あのぅ」


話しかけると、彼は声に反応して私の方を向いた。


ふわふわしてそうな少し茶色い髪に、どこか懐かしいような瞳。

私は彼に見とれていた。

そして彼も私をずっと見ていた。


< 5 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop