キケンな花嫁修行~結婚相手が二人!?~四ノ宮蘭編
「パーティーだって、早く戻らないと蘭さんの立場が……」

「──カンナ」



私の言葉を遮る蘭さんは、真剣な眼差しで私を見つめる。



「僕が君のそばにいたいんだからいいんだよ。君の方が大事なんだから」



──それが彼の心からの気持ちなんだと思いたい。

でも、未だに燻る疑心暗鬼な思いがせめぎ合って、信じたいのに不安になってしまう。


蘭さんのことが好きなのに

……ううん、好きだからそうなってしまうんだ。



「それは……私が出世のために必要な人間だからですか?」



そんな卑屈な言葉とともに、涙が零れた。



「そうじゃないって思いたいんです。都合のいい女だから大事にしてくれるわけじゃないって……
蘭さんのこと信じたいんです。信じたいのに……」


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