【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
「いつか、椿がそう言い出すと思って、取っておいたものが、あるんだ」



親父はそう言い出すと、二階へかけ上がり、そして、古びた箱を持ってくる。



「中、開けてみ」


開けると、殆ど使用されていないであろう、黒と青の、バッシュ。



履いてみると、それは俺の足のサイズピッタリ。



「お前は昔の俺と体型がそっくりだ。きっと渡す時が来ると思ってた。取っといて良かったよ」



「サンキュ。俺…制してみるよ、俺も含めた、五つの駒を」



俺の答えにニタッと親父が笑ってみせる。



これが、後に始まる、壮絶な『コート上のチェスゲーム』に参加する、始まりの日。
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