【完】シューティング★スター~バスケ、青春、熱い夏~
ピリピリした、静かな空気。それを打ち破る、低い美声。



「お前達、そろそろアップに行くぞ」



秀吉キャプテンの声に、全員が歩き出し、ロッカールームから出る。



俺も泰ちゃんの後ろを着いて行っていたんだけど…



「おい、水高って進学校やろ?染髪禁止じゃなかとや?今年のバスケ部は、キンパの御劔以外にも不良がおる!」



俺は襟首を掴まれて止まり、菊池高校の嫌な笑いに包まれてしまう。



「止めてくれません?ってかピカ先輩も俺も地毛っすから。あんたらと違って、生まれつきオシャレな頭なの。しゃーないっしょ?」



基本装備にチキンが附属されてる俺でも、挑発されたら乗っちゃうのが性分ってなもんよ。



「あん?ぎゃんムカつくなチビ!喋り方も馬鹿にしとる!」



「都会育ちで。さーせん」



ベーっと舌を出すと、相手方はフルフルと震えて、怒ってる模様。



…やっべー!今になって怖くなってきた件!こんなところで基本装備の必殺『チキる』は発動しなくていいんだけど!
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