あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー




「…………チュ」




しばらくすると、喉を通る音から、リップ音に変わった。




彼は、膝やスネの傷に唇を落としていた。



「な、何……やって……っん」



終いには、傷口を舐めている。




さっきみたいな痛みは……ない。



そういえば……体が熱くない…?



さっきまで、全身が熱を持っていたけど、今はそれがない。




「あなた……な、に……したの…?」




わたしの足から顔を離して立ち上がった彼。




「言った筈だ。
俺の命に背いた罰だ、と」




彼は、そう言い放ちわたしに背を向けた。




「ま、待って……!!」





聞きたいことがあるのに!


わたしは、彼を呼び止めようとしたけど………




彼は、それを無視し、マントを翻し保健室から消えていった。












< 72 / 170 >

この作品をシェア

pagetop