あなたの虜ーバンパイアとわたしの秘密の関係ー
「…………チュ」
しばらくすると、喉を通る音から、リップ音に変わった。
彼は、膝やスネの傷に唇を落としていた。
「な、何……やって……っん」
終いには、傷口を舐めている。
さっきみたいな痛みは……ない。
そういえば……体が熱くない…?
さっきまで、全身が熱を持っていたけど、今はそれがない。
「あなた……な、に……したの…?」
わたしの足から顔を離して立ち上がった彼。
「言った筈だ。
俺の命に背いた罰だ、と」
彼は、そう言い放ちわたしに背を向けた。
「ま、待って……!!」
聞きたいことがあるのに!
わたしは、彼を呼び止めようとしたけど………
彼は、それを無視し、マントを翻し保健室から消えていった。