赤ずきんは狼と恋に落ちる



「何で別れちゃったの?良い感じだったのに」

「面白くないからって」




今更失恋したことに、くよくよしたって仕方がない。



大丈夫。

上手く、その場しのぎで笑える。




「お姉ちゃんは、悲しくないの?」




子首を傾げ、キョトンとした顔で、私に尋ねてくる。


ちほらしい質問だと思えば、私も素直に答えられる。







「悲しい……、かもね」






理由の一つには、さっきの千景さんの言葉も含まれているけど。




「お姉ちゃん、淋しがりやだもんね」




そう言うと、ぎゅううっと私に抱きついてくる。



「私だって、お姉ちゃんが一人暮らししてるから、誰にも相談出来ないし。……私も、淋しいかも」



私より少しだけ背の高いちほ。



だけど、今はそれが、何だか小さく見える。




「ありがと……」




さっきまで、あんなに大騒ぎしていたのが、嘘みたい。


ちほが落ち着くまで、ここに居てもらうことにしよう。


< 55 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop