赤ずきんは狼と恋に落ちる
「何で別れちゃったの?良い感じだったのに」
「面白くないからって」
今更失恋したことに、くよくよしたって仕方がない。
大丈夫。
上手く、その場しのぎで笑える。
「お姉ちゃんは、悲しくないの?」
子首を傾げ、キョトンとした顔で、私に尋ねてくる。
ちほらしい質問だと思えば、私も素直に答えられる。
「悲しい……、かもね」
理由の一つには、さっきの千景さんの言葉も含まれているけど。
「お姉ちゃん、淋しがりやだもんね」
そう言うと、ぎゅううっと私に抱きついてくる。
「私だって、お姉ちゃんが一人暮らししてるから、誰にも相談出来ないし。……私も、淋しいかも」
私より少しだけ背の高いちほ。
だけど、今はそれが、何だか小さく見える。
「ありがと……」
さっきまで、あんなに大騒ぎしていたのが、嘘みたい。
ちほが落ち着くまで、ここに居てもらうことにしよう。