甘い時間は生徒会室で。
「あ、結愛ちゃんは?」
「結愛は、家隣だから、俺が送ってくよ。」
俺がそう答えると、悲鳴のような声が響き渡った。
みんな、知らなかったっけ?
「んっしょっと。いくぞー?」
結愛を背中に背負って生徒会室を出た。
外は、すっかり真っ暗。
学園前の坂道を降りて、みんなとは別れる。
「じゃあ、俺らこっちだから。気をつけて帰れよ?」
「あぁ。」
手を振り、家へと向かう。
俺の背中の上でもまだ、気持ちよさそうに眠る結愛。