だんご虫ヒーロー。
もしかして俺に告白するとか?
放課後の教室で二人きりという連想からひらめいた考え。
そう考えれば航平のメールを無視してたのにも頷ける。
俺のことが好きだから、航平にメールは返せないみたいな?
って自意識過剰だな。
李にチャラ男と言われてもおかしくない。
でも綾女ちゃんに告白されても…俺は……
「…李のこと、好きですか?」
俺の心の中の言葉を繋ぐようにして、綾女ちゃんが口を開いた。
……李のことを聞きに来たのか。
予想が外れて寂しいような、李のことを聞かれて嬉しいような微妙な気持ち。
「…先輩は李のこと、好きですか?」
俺の返事が聞きたいのか、綾女ちゃんは繰り返し同じ質問をしてきた。
本当は分かってるんだろ?
それなのに俺の口から聞きたいのなら言うよ、誰にでも、堂々と。
「…好きだよ、李のこと。
李とずっと一緒にいた君よりも好きな自信がある」
胸を張って言える。
全校生徒の前で言えるくらいに。
それくらいに李が好きなんだ。