だんご虫ヒーロー。
強くなって欲しかった
【side 夕里】
それは直接、李の彼に会いに行った時のこと。
彼のいるベッドへと近付き、立ち尽くす。
「…そんなとこに立ってないで座ったら?」
固まっている俺を見て彼はクスクスと笑いながら、イスを出した。
彼とイスを交互に見て、渋々イスに座る。
俺がイスに座るところを彼はジッと微笑んで見ていた。
「…それで、チャラ男先輩…いや、芹田くんは俺に何を聞きたい?」
李は俺の名前まで彼に話していたらしい。
彼…原崎さんはニコッと笑いかけてきた。
聞きたいことはたくさんあった。
まず李とどう出会って、どう落としたのか。
聞いたらノロケ話になりそうで、嫉妬してしまうだろう。
それも聞きたいけど、何より気になったのは…
「…あなたが言った約束ってなんですか?」
きっと李が交わした約束のことだと思った。
ずっとお団子頭でいる約束、困っている人を見たら助ける約束。
だけどその約束と原崎さんがどう関係があるのかが分からない。