だんご虫ヒーロー。

あいつらに見せつけるため




【side りか】



事件の起こる数十分前。



アタシは早苗と花織と地元のスーパーに来ていた。



早苗と花織は買い物に行ってる。
アタシは面倒だったから休憩スペースに座って待つ。



最近はずっとだんご虫の言った言葉ばかり頭に浮かんでた。



『あなた達の闇がどんなに深くても、私は必ずあなた達に光を当ててみせる…!
助けると一度決めたら、私は最後まで諦めない!』



この言葉を思い出す度、イライラしてくる。



アタシ達の闇?
そんなのアンタの強さじゃ、光は当てられない。



アタシらの努力なんて何にも知らない奴が出しゃばるなよ。



でも逆に、こんなアタシらでも光が当たるのかな?なんて考えも出てきた。



こんな悪さしかしてないアタシらでも、光は照らしてくれるのか。



「……ハ!くだらないな。
このアタシがだんご虫(あいつ)の言葉に乱されるなんて」



誰の言葉も聞かず、アタシはアタシのしたいように生きるって決めてたのにな。



まぁ、アタシに口を挟んでくる奴なんかいなかったけど。



だんご虫が初めてかもな。アタシの生き方に口を挟んできたのは。


< 387 / 554 >

この作品をシェア

pagetop