キケンな花嫁修行〜結婚相手が二人!?〜四ノ宮蓮編

「親父たちにちゃんと話して、カンナの両親にも挨拶に行って、そしてお前を嫁として迎える準備ができたら……すぐに迎えに行くから。
だから、それまでは自分の家でしっかり親孝行しとけ。お前の親父さん、俺が相手だと知ったら気が気じゃねぇだろうから」


蓮さんは冗談で言ってくれたのだろうけど、私は首を横に振った。


「蓮さんが迎えに来るまで、私お父さんに蓮さんの良いところいっぱい話しておきます!お父さんの抱いてる印象は誤解だって、強く言っておく!だから……っ」


私は蓮さんの首の後ろにそっと腕を回して、その澄んだ瞳を記憶に焼き付けるように見つめながら、ぽつりと呟いた。


「だから……早く、迎えに来てくださいね……?」

「……ああ」


指切りの代わりに、唇を合わせて私たちは約束した。

お別れが切なくて、何度も何度も、お互いが一つになってしまいそうなほど、とろけるようなキスをする私たち。

次第に熱くなる身体は力が抜けてきて、そのままソファに横たえられた。


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