サクラ咲く
第4章

付き合うって?

「で?付き合うことになったのか?」



自宅で珍しく大輔と一緒に朝を迎えていた。


最近は如月のマンションに居る事が増えてきた。


昨日から出張中の如月が、たまには大輔と話をしてきたら、というので自宅に帰ってきていたのだ。



「うん、そうよ。…大輔も美那ちゃんと一緒に住んだら?
そしたらあたし如月さんとこに行きやすいんだけどなぁ。」



現金なもので、美那がくる度追い出されて不満をボヤいていたはずなのに、自らが行くことに変換されていて、自分の発言なのに可笑しくて笑ってしまう。



「籍も入れてないのに同棲はダメだって言っただろ。それはかのこだけじゃなく、俺にだって当てはまるんだ。」




…お堅い。



肉食獣のくせに。



「親父達から言われてるんだ。ちゃんとしろよ。


あ、あと避妊もちゃんとしとけよ。
泰斗なら大丈夫だとは思うけど」
「朝から何言うのよ!してないわよ、エッチなんて‼︎」




…発言してからしまった、と気付く。


大輔が初めて見る表情をしていたからだ。



「…マジかよ…泰斗のやつ、とっくに手を出してるとばっかり…」

「大輔と一緒にしないで!如月さんは大輔とは違うのよ!」



…あぁ、朝から興奮するなんて、やってられない。






「かのこ、今日さ、美那呼ぶから少し話をしないか?」


出勤する時に、大輔がぽつりと言う。

「何を話すのよ。美那ちゃん来たらあたしどこ行けばいいのよ。またビジネスホテル?如月さんいない時に呼ばないでよ。」



顔も見ずにパンプスを履きながら答える。


1人さみしくビジネスホテルなんてごめんだ。



「違うよ。少し美那と2人で女性だけで話してみたらどうかと思って…。」



…思わず凄い顔をしてしまってたんだろうと思う。

大輔がひいた。



何か?あたしと如月さんに、肉体的問題でもあると言いたいわけ?



「いいわよ。美那ちゃん泣かせたら申し訳ないけど。」



後学のためにも、話を聞いとくのはいいかもしれない。

…そう思ったのだ。





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