ウスギモクセイ~二度咲きのキンモクセイ~


  「元気になって大学に行きたいの」


そう夢を語っていた彼女。



同級生より一年遅れての受験。
そこまでには彼女なりの葛藤もあっただろう。


 「先生、ヤッタよ♪」


合格通知を手に、わざわざ報告しに来た事が昨日のように甦る。



あれから半年。


桜の花は散り、暑い夏を越え
今はキンモクセイが満開だ。


この香りと共に
想い出は増えていく。

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