侍先生!
きっと、多分だけど…。
森本が、滋賀県と書いたと俺は思う。


それは、幼なじみとして?
それともー…。


…って、何で俺はこんな事考えてるんだ?
生徒同士の交友関係なんて、教師の俺としてはどうでもいいじゃないか。


大きくため息をついて、せいじ先輩と飲みに向かった。


そして、次の日から姫条の様子が何かおかしかった。


まだ具合が悪いのかと思ってたら、何やら考え事をしてるような様子。


いつものように信長ごっこをしようなんて行ってこないし、いったいどうしたんだ。


しかも、急に話しかけてきたかと思ったら、テストの事をすっかり忘れてるっていうし。


大丈夫か、あいつ。


その日の下校時刻。
体育館裏の入口付近で、姫条を見かけた。


なにやらこっそり覗きこんでる。


…あいつは覗き趣味なのか。


かなり怪しいので、注意しようと思い、俺も姫条の目線の方を、後ろから眺めた。


そこには、女の子に告白されてる森本の姿。
そして、それを見て、ショックを受けてる様子の姫条。


…まさか、コイツは森本の事が好きなのか?


「森本って、モテるんだなー」


後ろからそう言うと、驚いたような表情で、姫条は振り返った。
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