侍先生!
結局、時代劇に決定はしたものの、配役が決まらない。


みんなも、賛成はしたものの、自分がどの役につくのかなんて、どうでもよさそう。
そんなとき、皐月が手を挙げてこう言った。


「倖田先生と、姫条さんがやればいいと思います」


…へっ!?


「だって、日本史の先生だし。 日本史の成績トップだし」


みんな、「なるほど~」「いいんじゃない?」なんて言っている。


…ちょ、ちょっと待ってよ!


「そういえば、私この前倖田先生と姫条さんが時代劇ごっこしてるの見た。 文化祭の練習とかいって」


のおおおおおお!!
それって生徒会のときのおおお!!


キミだったのか!


「じゃあ、先生と姫条さんが主役でいいひとー」


私と先生以外、みんな手を挙げる。


…じょ、冗談でしょおおおお!?



台本係りは皐月と和也くん。
二人はニコニコしながらなにやら書いている。


「やっぱキスシーンとかいれちゃう?」


と、皐月が冗談交じりに言う。
き、きつい冗談だわ。


「いいじゃん、いつもので。 信長と光秀で」


「え、どっちが信長で光秀だ?」


気がつくと先生は後ろに立っていて、そう言った。
< 132 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop