侍先生!
自分の情けなさに憂鬱になりながら、そのあと遊園地に向かった。


コーヒーカップとジェットコースターに乗ったあと、アイスを食べた。
そのあと、ラストにおばけ屋敷に行こうと誘った。


本当はあんまり好きじゃないんだけど、信長の蝋人形があるんだったら行くべきじゃないか。
姫条はあんまり怖がってなかったみたいだけど、暗いし、危ないから手を差し出した。


「ほら。 こわいだろ? つかまっていいぞ」


「…先生が怖いんじゃないですか?」


「怖くないなら、別にいいけどな」


そう言って、ボケットに手をつっこもうとしたら、姫条は俺の手を掴んで、


「こ、こわいです!」


と言った。


「うそつけ」


と思って小さく笑ってしまった。
突然出てくる手とかにビックリすると、姫条は俺の声にビビッてしまったらしい。


「やめてくださいよ~。 心臓に悪い」


「じゃあ、おまえが前歩けよ!」


「なさけないな~。 じゃあ前歩きますよ~っと…わわっ!」


姫条が前を歩こうとした瞬間、バランスを崩して、俺は姫条を引っ張った。


強く引っ張りすぎて、俺の胸に飛び込んできた形になってしまった。


てゆうか、姫条って、こんなに小さかったっけ?
その瞬間、この小さい生物…じゃない、姫条がすごく愛しく思ってしまった。


「わ、ごめんなさいっ!」


と姫条は俺から離れようとしたけれど、俺は姫条の腰と頭をしっかりつかんでいた。


…てか、俺…なにやってんの!?
と思いつつ、離せないでいた。
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