侍先生!

進展

「おい、姫条! 起きろ!」


まだ、眠いのに…。
と思って体を起こす。


眠たい目をこすり、パチリと開けると、目の前には侍先生が!


そ、そうだった…!
昨日、あのまま寝ちゃったんだった!


「早く、自分の部屋戻れよ」


と、先生の冷たい一言。
昨日の幸せな時間は何だったんだ、と思ってしまった。


「先生、昨日の事おぼえてるの? 相当酔ってたみたいだけど」


「おお、覚えてるよ」


「ならいいんだけど」


私は布団から出て、布団をたたんだ。
先生はもう着替えて終わってて、のん気に新聞を読んでいた。


「覚えてんだけどさ」


先生は、コホンと咳ばらいをして、新聞を横に置いた。


「俺、何もしてないよな?」


「へ?」


「なんか、変に感じる部分とかないか?」


「いえ、別に」


「下着はちゃんと着いてるか?」


「つ、ついてるよ!」


先生は、少し悩んだように頭を抱えた。


「そっか…、なら、いいんだけど」


と、安心した表情を見せた。


…ん?待てよ?
そういえば、一晩一緒にいたのに、何も無いって事は…私、先生に何にも思われてないって事よね!?


頭に大きな石がぶつかったかのような衝撃が走った。
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