侍先生!

幼なじみ

先生と彼女が、何で別れたのか。
先生に聞いても、『分からない』の一点張り。


…もしかして、理由も無しに、別れたとか?


うう~…、気になる。


でも、追求するのも、先生の傷をえぐるみたいで、あんまりしたくない。


朝、学校に行く準備をしながら、私はそんな事を考えてた。


―コンコン。
と、音が鳴ったので、私は部屋のドアを開けた。


…が、誰もいない。空耳かな?


―コンコン。
…あれ?確実に聞こえる。


こっちじゃないなら、こっちかな?
私はベランダのカーテンを開けた。


「…カツオ」


目の前には、幼なじみでお隣さんの、森本勝男(もりもとかつお)が居た。


同い年で、同じ学校。
ちなみに隣のクラスである。


ベランダを出ると、すぐにカツオの部屋がある。
奴は、うちの敷地のベランダで、ニコリと笑って、ガラス扉を叩く。


「はいはい、今開けますよー」


ガララ、と音を立てながら、ガラス扉を開けた。


「ジャージ、ハチマキ、ゼッケン、タオル、弁当、水筒、プログラム表。 そして、勝つという志は持ったか!?」


カツオは、扉が開いた瞬間、そう叫んだ。
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