侍先生!
姫条は、ただ、何かを訴えるように俺の顔をジッと見ていた。


「姫条。 この本の山は何?」


俺がそう言うと、姫条は笑顔笑った。
げへへ、とスケベなおっさんみたいに。


せっかく可愛い顔してんのに、もったいない。


だから、こう言った。


「…もうちょっと可愛らしく笑えないの?」


「うふふ」


「うわ、きもい」


それはそれできもかった。


多分、姫条は可愛らしい仕草とかができないんだろうな。
親父ギャルか、こいつ。


姫条は本をひとつ拾って、


「これね、せいじが資料室に持ってけって。 女の子の酷いよね~」


さっきの俺の質問に答えてくれたようだ。


そういえば、さっきせいじ先輩、姫条の事で文句言ってたな。
きっと数学の授業で何かやらかして、お仕置きにこんな大量の本を資料室に持っていくように言ったんだろうか。


確かに、女の子一人で持つには無理がある。
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