Dear HERO[実話]
「そっかぁ。夜の街はこわかったかー!」
と言うと樹はそっと私の手を握る。
突然のことに嬉しいやら恥ずかしいやらで、私は下を向いたまま駐車場まで歩いた。
でも確かにその時、樹の手から暖かさと安心感を感じていた。
「また街に戻ってくるの?」
運転する樹の様子を眺めた。
「いや、もう戻らないよ。凛と一緒に居ようかな」
「えっ?」
「家、誰も居ないんでしょ?」
「うん…一緒に居てくれる?」
「もちろん!」
しんっと静まり返る家の中に樹と二人きり。
緊張しないわけがない。