Dear HERO[実話]
毎回おまけのように友達も一緒だったから、いつしか樹と二人きりになれるのはホテルでだけになっていた。
本当は私のほうが樹に付いてくるおまけのようだったのかもしれないけど…
この日もホテルに入った二人。
樹はいつも優しく抱き締めてくれた。
だからこの日もいつもと変わりない樹の温もりで安心する。
はずだった…しかし、この日は違った。
私を見つめる目が…
安心するはずの眼差しが……
一瞬、あの男と重なった。
…怖い…
……怖い……
見ないで……!!
私は自分の顔を手で覆い隠すと、声を出して泣き出した。
一瞬見えた昔の記憶。
あんな男と重ねて見てしまうなんて…樹の驚く顔が見える。
無理もない。
今まで笑顔だった自分の彼女が突然泣き出すのだから…しかし私はその涙を止められずにいた。