Dear HERO[実話]


相変わらず壱春とは連絡をとっていなかった。

本人の気持ちが落ち着くまで待とうと決めた。
ゆっくりゆっくり、壱春が私のことを必要としてくれるまで。

戻ってきてくれると信じて…



~♪~♪~♪


年が明けて一週間、それは待ち望んでいた壱春からの着信。

ちゃんと話したのは一ヶ月ぶりぐらいだったと思う。


でも着信の理由がいい話ではないこと、電話が繋がった瞬間に分かった。




「話があるんだ…」



そう話し出すときは、ほとんどが良くない話のときだから。



「うん…」




「ずっと考えてたけど…ごめん、やっぱり付き合っていく自信がない…」




「………」




どうしてだろう…

どうしていつもこの人は私に何の相談もせずに、勝手に結論を出してしまうのだろう…。

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