Dear HERO[実話]
謝らないで……
嫌だったわけじゃないから。
それで泣いたんじゃないから。
それよりもむしろ嬉しかった。
あなたと触れ合うことなんてもうないと思っていたから。
あなたにキスされたことが嬉しすぎたんだ。
でなきゃこんなにも胸が熱くならない。
だから謝らないで……
そう言いたくても口から出てくるのは泣き声ばかりで、言葉にならない。
崩れた心は簡単には戻らない。
強くなったはずなのに、龍斗の前では弱くなってしまう。
強がることしかできなかった……
俯いたまま歯を食いしばる。
顔を上げると涙目のまま笑顔で龍斗を見た。