後輩くんは俺様王子

可愛い君と、意地悪な君と

「………お久しぶりです。南美センパイ」


そう言って、フッと微笑んだ新入生。


いろいろ突っ込みたいことがあるんだけどとりあえず…………



「なんで私の名前知って……！？」

「あれ、俺のこと覚えてないですか？」



覚えてないですか？って言われても………。


こんな美男子、私の知り合いにいた記憶はない。

全体的に細身で長身で、顔はモデル並に整っていて。
明るい茶髪が良く似合い、新入生だってのにサラッと制服を着こなしていて……。



「………こんな美男子、知らないよ……」


「んー、残念だなあ。俺はこんなに覚えてるのに、南美センパイ忘れちゃったんですか。悲しいなあ………」


ちっとも悲しくなさそうな顔で言う彼。
………なんか、私のことおちょくってるような言い方、腹立つな………。



「その言い方、先輩に対して失礼じゃない！？あなた、誰なのよ！」


つい、イラッとしちゃってムキになる私。
そんな私の様子をみて、またフッと笑うと、彼は信じられない言葉を言い放った。