不滅のLIAR!
「リン、握手させて?手を離したらすぐ出てくから」


少し困った表情を見せたけど、リンは承諾してくれた。


玄関でお互い両手を握り合い重なった部分を二人で見つめる。


「……晶、楽しかった。ありがと」


その瞬間俺は堪え切れずに鳴咽を漏らしながらリンに気持ちを伝えた。


「ううっ、リンありがとう。リンが戻ってきてくれるのをずっと待ってるから」


「待たなくていいって。私よりいい女見付けなよ?」


俺はリンの手を強く強く握った。


いつリンが得意げにお仕置きだったと笑わないか期待しながら。


でもそのわずかな期待とは裏腹に、二人の別れの時が訪れた。


長い握手の後、リンの手をゆっくり優しく離し、俺達は別々の人生を歩み始めてしまった。


真実の愛だと自負していたのに、別れってこんなにも突然で、こんなにも呆気ない物なんだ……。


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