不滅のLIAR!
リンと別れてからずっと落ち込んでる俺に何かと気を使ってくれる阿部さん。


普段から人の不幸は蜜の味って豪語する人だから、俺の蜜を吸いにきてる可能性もあるかもな。ずいぶん肥えた蝶だけど。


「なになにー?まだフラれたショックから立ち直ってないのぉー?お前も俺みたいに彼女作らないでみんなのアイドルになっちゃえよー。あ、オーラ不足?わりーわりー」


ガハハと笑う阿部さんの顔が何だか楽しそう。


「阿部さん彼女欲しくないの?」


ほとんど仕事の終わった俺達は、厩舎内の電気を消しつつ二人でゆっくり休憩室に向かった。


「欲しいに決まってんだろ!でもそうなると悲しむ女があちこちにいるの!そんなの優しい俺には耐えらんないの!」


……陰でお気に入りの子にアピってるの、俺知ってるよ。しかもことごとくスルーされてるのも。彼女、作らないんじゃなくて作れないのよね?


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