不滅のLIAR!
「あ、いや、その……」


言葉を濁してると、リンがムニッと唇を突き出した。


「もしかして阿部さん?」


困った顔をして否定も肯定もせず黙った俺を見て、何かを確信した様子のリン。


「もーっ、誰にも言うなって言ったのに!あの馬鹿ヤクザ!」


「え?阿部さんはリンがここで働いてるの知ってたの?」


小さく頷いたリンがフウッと溜息を付いた。


「この前飲みに来てた阿部さんに見付かってさ。欲しい服あるけど一人暮らしで生活もギリギリだし、またバイト始めたわけ」


「そうだったんだ。でも俺、阿部さんからリンが毎日一人で飲み歩いてるって聞いたけど……。どうしてそんな嘘付いたんだろ」


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