やさしい手のひら・中編【完結】
確認
健太のツアーも終わり、日常へと戻った

私は短大へ行き、健太も都内で仕事をし、会える日はいつも一緒にいた

モデルの仕事もないまま今日まで来ていたが昨日、田村さんから電話があり、いつもの現場に来るように言われた

短大が終わり、いつものように現場へ向った。健太には昨日仕事が入ったことを伝えていた

「お久しぶりです」

スタジオに入っていくと、見慣れたメンバーが揃っていた

「久しぶりだね」

みんな声を掛けてくれた

「亜美ちゃん、こっちよ」

田村さんが私を見つけてくれて

「こんにちわ。お久しぶりです」

「また急でごめんね。これからは仕事も増えて行くからね」

「は、はい」

健太からモデルの仕事はほどほどにと言われていたので、田村さんが言った「仕事が増える」という言葉にがっかりしていた

「まず、いい知らせなんだけど」

と、近くにあったパイプ椅子に2人で座った

「前に新くんとウエディンクドレスの撮影したじゃない?」

「はい」

「あれね、実はカメラ回ってたの!」

「えっ?」

「回っていた?」

ニコニコして田村さんは言った

「コマーシャルで流れるのよ。あれね、写真としても撮ってたけど、亜美ちゃん達の動きも撮ってたの」

えっ、そんな・・知らなかった

「さっき見たんだけど、よかったわよ。新くんと亜美ちゃん」

「そうですか」

なんとも言えない心境で、嬉しいのか嬉しくないのか、一瞬健太の顔が浮かんだ
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