ユールクラップの愛




「…姉から聞いているかどうかは知りませんが、私、雪都…さんのことが好きだったんです」

「……へえ、過去形なんだ?」

「私は、画面の向こうに居る貴方に恋しました」




軽快なリズムで叩く彼が。
楽しそうにしてリズムを刻む貴方が。

好きで好きで、堪らなかったの。




「…でもこうして対面して、…正直会いたくなかった」

「…それは君の意見だよね」

「そうです。勝手に好きになっておいてアレですけど…理想のままであってほしかった」




勝手なことを言っているのはわかってる。
自己中心的なこともわかってる。

でも、




「…私の中の“雪都”をこれ以上崩さないで」




どうしても。
私の中の貴方は崩したくない。

貴方は私の唯一だから。





< 12 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop