Colors of Heart ~7色のハート~


「虎ちゃん!」


見かねてサンゴが止めに入る。


「さっき、薬飲んで眠った所だから。気合いで治るもんじゃないのよ、ウィルスなんだからっ。それに、結婚式に行けなくなって、一番悔しい思いをしてるのは、誰でもない花なのよ」


悔しい思いをしているのは花____そう言われて、力を込めて握った拳を下ろした。


確かに、あいつは初めての海外に、兄の葵に久しぶりに再会するのに、何よりもRomiの結婚パーティーに参加するのを楽しみにしてた。


「向うの結婚式ってどんな感じなの?あたし、従兄のお兄さんの式しか出たことなくて」


「ロミさんのお土産なにがいいかなぁ、お兄ちゃん、何か欲しいものあるって言ってた?私が訊いても気を遣わなくていいの一点張りなんだから」


「1週間も前なのに、ドキドキする~。飛行機乗るのも怖い~、8時間位乗るんでしょ?」


Romiの結婚パーティーに参加するのが決まってから、家の中ですれ違う度、あいつはしつこいくらいに色々と訊いてきた。


最後の方は答えるのが面倒になって、適当に返事してたら、「真面目に答えてよっ!」と頬っぺたを膨らませて、怒ってたっけ。


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