Blind Love
「こんばんは、よろしくお願いします。」

マークIIの運転手さんに挨拶をして、後部座席に座らせてもらった。


「こいつ、智。
俺の幼馴染で、高校までずっと一緒。」


「日詰 真帆です。」


「よろしく。」
ルームミラー越しに、返事をかえしてくれたけれど、笑顔は無くて。

きっと、無理やりこんなところまで迎えにこさせられて迷惑してるんだろうなーって。


「耕ちゃんとは、同い年?」

「違うよ、智は俺の1コ上。」

「年上なのに、タメ口?」

「幼馴染だから、かんけいないしー」

智先輩は、相槌をうつくらいで会話ははずまなくって、それからマンションにつくまでの30分。
耕汰先輩は、カーステレオから流れる曲歌っていたから、
いつもと違う目線で流れゆく景色をひたすら見ていた。






ーー
ーーーー


「お家、通り越させてしまって、すみません。ありがとうございました。」

学校からだと、2人の家を通り越さなければいけないのでホントに申し訳なくて…

「お休み。」


「ちょっと、待ってて。」


耕汰先輩と2人で車を降りた私は、もう1度ぺこりと頭を下げた。

軽く手をあげてくれた智先輩、ほんの少し笑ってくれたような気がした。





駐車場から、玄関まで送ってくれた耕汰先輩。


「智先輩、怒ってるよ。
迷惑になるから、もうやめてね。」


「大丈夫だって、智は人見知りだから。そのウチ慣れるよ。」




この出会いが、私の運命を変えるなんて、この時は誰も想像できなかったんだ。
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