アロマな君に恋をして

ムキになる私を見て麦くんはふっと笑った。


「なずなさんって、わかりやすい」

「っ……!!」


全てを見透かしたような笑顔に、頬が一気に熱くなる。

きっと真っ赤であろう私の顔を見た麦くんはさらに笑みを深めて立ち上がり、「お風呂のお湯ためてきます」と言って部屋を出ていった。


私はソファの上で、さっきの麦くんみたいに考える人になる。


わかりやすいって何よ……

自分でもまだこの気持ちがなんなのかわかってないのに。

正確に言えば、わかろうとしてない、かもしれないけど……

だって、わかったところであんなに年下の子とどうにかなるなんて考えられないし……


……ああ、難しいこと考えてたらなんか眠くなってきた。

そういえばさっきから眠かったのよね。


お風呂……どうしよ……


考えている途中で私はついにまぶたの重みに耐えられなくなった。

直後にドアの開くような音がしたけど振り返って確認する余裕もなく、私は夢の世界へ旅立っていた。


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