Taste of Love【完】
(あの時の浅見さんの言葉に嘘はない)

「わかった。今日また対策について話し合う予定になっているから。こっちのことは任せて」

「はい。よろしくお願いします」

 風香は深く頭を下げる。その頭を翔太の大きな手が優しく撫でた。

「お前が悪いわけじゃない。俺も浅見さんの腕は信じてるから」

「……は……い」

翔太の優しい手を感じながら、風香は自分の無力さを感じていた。

 会社内部の人間を説得することもできない。

 浅見の力になろうと一晩傍にいたが、朝の態度からするとそれも何の役にも立たなかったということだ。

 風香は席に戻ると、大きなため息をひとつついて、仕事を始めたのだった。

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