恋愛心工事中。

本当は好き



その後というもの。


壱は授業を真剣に聞いていて、

その隣でボケッとしていた私。


好きだと気付いた以上、凄く壱を意識してしまった。


そのおかげで、沢山の先生からのご注意を受け。




耳にタコが出来る程『話を聞け』と言われ、ヘトヘトになった時にはもう帰りのHRだった。






『あ~、部活めんどくさぁ』


吹奏楽部でトロンボーンを吹いている有美は、大きく伸びをした。




「めんどくさ、とか言わないの」


部活が大好きなあたしには禁句だ。





『分かってるって。
部活は吹いてる時は楽しいからさ♪』


そう言って有美は、トロンボーンを吹く真似をした。





「はいはい♪
じゃあ頑張ってね」


『美羽もね!
部活もだけど、終わったら壱君と話すんでしょ』


「うん、そう」


『美羽、気持ち伝えるならその時だからね!?』




有美は小声ながらも厳しく言った。





「…言えたらね」





正直、言えるかどうか分からない。


というか、有美には悪いけど…言わないと思う。




壱に気持ちを伝える前に、琉依にまず会わなきゃいけない気がして。



しっかりあたしの気持ち伝える。



有美も、こう言っていたから。





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