何度でも、伝える愛の言葉。

自分の気持ちを押さえ込んでまで俺に澪を託してくれた良基さんに、俺は精一杯澪を大切にしようと誓った。

良基さんと澪が過ごした1年を超えると言っておきながら、いざ向き合ってみると2人の1年の濃さを痛感するばかりだった。


1度は離れ離れになったけれど、後に再会して想いを確かめ合った悠斗と灯里ちゃんを見ていて思ったことがある。

人には“やっぱりこの人の隣が良い”と思える場所があって、その人の隣に居なければ違和感が生まれるのだと。


良基さんの隣に居る澪と俺の隣にいる澪とでは、どちらが馴染んでいるのだろう。

澪が“やっぱりここが良い”と思う場所は、どこなのだろう。


考えても考えても、答えが俺になることはない。


ポケットからスマホを取り出し、メール画面を立ち上げる。


「明日話したい」と祈るような気持ちで送信すると、すぐに返信が来た。

「待ってる」

その一言に、俺は決意を固める。


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