愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

私が首を傾げると…


「朝まで寝かせないから…もっと君を楽しみたい。嫌だと言っても許さないからね」


なんて言うから返事に困りアタフタしてしまう。


「…新川さんたら…やめて下さい…」


でも、言葉とは裏腹に胸が高鳴り、体の内側から溢れ出す熱いモノを抑える事が出来ない…


ネクタイを締めスーツを身に纏った凛とした彼の姿を見てるだけで体が熱くなる。


ついさっきまで私を激しく求めた人とは思えないほどクールな面持ち。でも、そのギャップが堪らなく刺激的で、私、新川さんの本当の姿を知ってるんだ…なんて優越感に浸ってしまう。


「じゃあ、行ってくる。すぐ戻ると言って車を待たせてたんだよ。悪い事したな…」

「えっ?すぐって…新川さんがここに来て、もう1時間以上経ってるけど…」


呆れた…仕事ならまだしも、こんな事で長時間待たせるなんて、運転手さんが可哀想。でも、私にとっては、とても大切な時間だったけど…


「仕方ない…飯でもご馳走してやるよ」


慌てて部屋を出て行く新川さん。


行ってらっしゃい…そして、早く帰って来てね…


今日からは、胸を張って『おかえりなさい』って言えるんだ。


これで私は乗り越えられる。和弥を…忘れられる…和弥以外の男性を愛する事が出来る。


そう確信し、私はゆっくり眼を閉じた。


大きなガラス窓から差し込む暖かな日差しを受け、久しぶりに味わう幸せに浸りながら心地よい眠りに落ちていった…


< 176 / 362 >

この作品をシェア

pagetop