愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

「えっ…でも…そんな…」

「俺の願いは、それだけだ…」


龍司の思いもよらぬ"願い"に驚き、彼の顔をマジマジと見つめる。


「どうして?私は龍司を裏切った女なんだよ?なのに…」

「そんな事、大した事じゃない」

「大した事だよ!!私みたいな最低な女、龍司には似合わない。あなたには、もっと素敵な女性が…」

「真央以外の女性は考えられないんだ!!」


龍司…


「戻って来てもらわないと…困る。困るんだ…」


あなたって人は…


和弥の言った通りかもしれないね。龍司は最高の男性なのかもしれない。全て分かった上で私を許し受け入れてくれるなんて…


「戻って来てくれるね?」

「本当に、こんな私でいいの?」

「あぁ…」


龍司が望んでくれるなら…そうしたいと言うのなら…その想いに応えなきゃいけないのかも…そう思った。


「有難う…龍司」


それが私に出来る龍司へのせめてもの罪滅ぼし。


これが運命なら、逆らう事は出来ない。この人と…新川龍司と生きて行く事が、私の定められた運命なのかもしれない…


これでいいんだね?和弥…




―――その日の夜…


龍司がお風呂に入ると、私は携帯を手にした。


「あ、もしもし、お母さん?真央だけど…今度ね、会ってもらいたい人が居るの…そう、結婚を考えてる人だよ」


< 304 / 362 >

この作品をシェア

pagetop