愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

―――海水浴の次の日。8月30日


熱は下がったけど、まだ体がダルくてベットから起き上がれない。


昨夜は和弥からの電話を待ち続け携帯を握り締め眠った。彼の本心が分からず怖くて自分から掛ける事は出来なかったから…


でも、とうとう朝まで携帯が鳴る事はなかった。


鳴らない携帯を見つめふと和弥に抱かれた時の事を思い出す。


彼の熱い吐息…私を強く抱き締めてくれた逞しい腕。何度も肌に押し当てられた柔らかい唇。まだ違和感が残る下腹部がキュッと切ない悲鳴を上げる。


私は精一杯、和弥を愛した。初恋の和弥と一つになれた事、後悔はしてないよ。むしろ嬉しい…でも、私を抱いた後の和弥は別人の様に冷たかった。


森本君の言葉が本当なら、いったい何がいけなかったのかな…?


あの時、和弥は私に何か言おうとしていた。良くない話しを…別れ話しじゃなかったとしたら、なんの話しだったんだろう。


ちゃんと彼の話しを聞けば良かった。今更、後悔しても遅いよね…


遣る瀬無い思いが大きく膨らんで、私の胸を締め付ける。


今なら冷静に和弥の話しを聞けるのに…


だから、お願い。和弥…電話掛けてきて…


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