愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

携帯の画面を食い入る様に見つめる私に沙紀が何か話し掛けているけど全く耳に入らず、私は震える手で携帯の通話ボタンを押す。


和弥…出て…


縋る様な思いで携帯を鳴らし続けたけど、和弥は出てくれない。


一度携帯を切り、もう一度掛け直す。


プルル…プルル…


『…はい』

「和弥?」


良かった。出てくれた…


でも『真央か…』と言った和弥の声は、やっと聞き取れるくらいのとても小さな声だった。


「今、何処に居るの?」

『新幹線の中…』


新幹線?どうして新幹線なんかに乗ってるの?


『真央、ごめんな…俊に聞いたよ。あの後、お前泣いてたんだってな。そんなに辛かったなら、我慢なんてしなくて良かったのに…ホントに、ごめんな』


違う、違う…。私が森本君の前で泣いたのは、そんな理由じゃないのに…


「あの…和弥…私ね…」

『もういいよ…真央の気持ち分かったから』

「私の気持ちって…?」


短い沈黙の後、和弥の寂しそうな声が私の耳に響く。


『終わったんだよな…俺達…。俺、真央を抱いた事、後悔してる…』


絶望的な言葉だった。私を抱いた事、後悔してる…?そんな…


『もう会う事ないと思うけど、真央…元気でな。』


和弥はそう言うと、一方的に携帯を切った。


「かず…や…?」



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