同期が急に変わったら…。〜将生side〜


片付けの途中で

近くのうどん屋で昼食を済ませた。






午後から、

片付けも終わり、

俺はまたパソコンで仕事をしていた。






いずみは相変わらず

文句も言わずテレビを観ている。






ちょっと一服するか。






タバコに火を付けると、

いずみがテレビから視線を移し

俺を見た。






『どうした?』

『ううん。なんか嬉しくて。』






ニッコリいつもの可愛い笑顔だ。

安心する。

こいつが居てくれるだけで。






『そうか?嫌じゃなかったか?』

『嫌なわけないよ。』

『そうだな。
長〜い秘密の愛、だもんな。』

『やだ。それ、やめてよ。』






今度は膨れっ面だ。

コロコロ変わるいずみの表情。

ほんと飽きない。







『なんで?まだ隠したいのか?』

『そうじゃないけど……。』

『なんだよ?』

『ねえ、いつから気付いてたの?』

『あー、結構前。』

『いつよ?』

『いずみが元彼と別れた時。
お前が酔って潰れた時かな。』

『えっ?何?何かあった?』

『まあな。』

『ちょっとぉ。教えてよ。』

『……。
っつうか、お前あん時、
なんで男と別れたんだよ?』


『あー、それねえ。
あんまり言いたくないけど。
実はさあ。
お前、ほんとに俺の事好きか?って。
他に好きなヤツいるよな?って
振られたんだよね。
あれは、…自己嫌悪だったなあ。』


『…なるほどね。
そーいう事か。
あん時、お前さ。
俺に、
将生がいればなんにもいらない、
ずーっと一緒にいてくれ、とか
なんでわかってくれないのか、鈍感、
とか。
まあ、そんな事言ってたかな。』

『うわっ。ほんとに?
あたし、痛いわ。
それは、わかっちゃうね。』






いずみは、

両手で顔を覆って俯いている。






『まあな。』

『やっちゃってたね。』

『そうだな。
まあ、聞かなかった事にしたけど。』

『そっか。』

『いずみ。長く待たせてごめんな。』






そう言ってやると、

いずみはパッと顔を上げて






『ううん。今、幸せだもん。』

『そうか。』





俺も幸せを感じる。

お前が幸せだと言ってくれる、

それが俺の幸せ、かな。




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