同期が急に変わったら…。〜将生side〜


今日はいずみは全く拒否をしなかった。

ただ、黙って俺に抱きしめられている。





……勝手な俺でごめん。





抱きしめたいずみの

温かくて柔らかい感触に

心臓がドキドキと反応する。





こいつと離れたくない。






俺はいずみを優しく抱きしめたまま、




『いずみ。』

『なに?』

『俺とこうしてんの、嫌か?』





…そう聞いた。





いずみは、少し時間をおいて


『………嫌じゃない。』


と、言った。






いずみの鼓動も

俺の胸からドクドクと伝わってくる。

……。





『そうか。』

『……。』

『俺は
いつもこうしていたいけどな。』



と、優しく伝えた。






いずみは何も言わなかった。

いずみが

どう考えているのか、

どう思っているのか、

それを考えると、不安だった。






いずみにも俺の背中に

腕を回して欲しいと思った。

いずみからも

抱きついてきて欲しいと思っていた。






そう願う俺の気持ちは

叶わなかった。






俺だけがいずみを抱きしめたまま。

この夜、いずみは、

俺に腕を回してくる事はなかった。






俺は、

この歳になって初めて、

切ない、

という感情を知った。



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