儚語り



春を寂しいと唄ったのは誰だっただろう。



春を儚いと唄ったのは、名も無き唄い手だったような気がする。



綺麗な黒髪を風でたなびかせながら、少年はぽつんとある古い祠の傍にある桜の枝に腰かけ空をみていた。






「……君が隣にいない日々は、寂しすぎる」






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