私はアリスじゃない!
「……ねぇ、マーチ!
いつまで歩くのよ?」
「ん〜?もうちょっとだよぉ!
……あっ!!ほら!見えてきた!!!」
それからしばらくマーチについて歩いていると、目の前に現れたのは『アリス』とだけ描かれたアーチ。
「……なぁに?このアーチ…」
そこには、アーチが置いてあるだけで森の中心だということは変わらなかった
「来ればわかりますよぉ!
行きましょ行きましょ!!」
そういったマーチはアーチを通り抜けるとすぐに……姿を消した。
「…ッ?!マ、マーチ?!?!」
”消滅した”とかじゃない……
アーチを通った瞬間に……見えなくなった………?
「……おい、アリス……
これ、俺たち戻れんのかな……?」
「…………。
さぁね、わからないわ。
けど、こんなとこで時間潰すより、私は前に進んだ方がいいって思うんだけど?」
ここまで来ちゃったんだもの…
もう後戻りはできないわ。
「………あぁ、そうだな。」
ルーカもなにか決心したようで、
さっきまですこし震えていた声はいつもの声に戻っていた。
「よし、行こうぜ」
そう進んだルーカの後を、
私も続いて歩き出した。