clover's mind
 と、玄関をくぐったところで、

「ごめんなさいね。あの子連絡してなかったのね」

 なぜだか笑いをかみ殺しつつ謝罪の言葉を述べるお母様。

「まゆみさんは?」

「二階のあがって右の部屋にいるわ。よかったら見舞ってあげて。ふふふ」

 お母様の含み笑いがどうも気になるところだが、ふむ。

 ついに禁断の園へ──もとい、恋しき乙女の部屋へと足を踏み入れることになるのだな。

 おぉ、この胸の高鳴りはどうしたことか!

 激しく脈打ったかと思えばきゅきゅ~っ、と苦しくなったり。

 不整脈?
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