チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
しかも結構、重要な内容じゃなかった?
思わずかけなおそうかと携帯を見た。
「亜弥ぁ~?」
だいぶ先、知恵が振り向いて手を振っている。他のみんなも立ち止まっていた。
「あ、うん。今行く!」
気になったが、あたしは携帯をポッケにしまって駆け出した。
気にはなったけど、やっぱり完全に酔いが醒めていない頭では優先順位が狂う。
走りながらぼんやりと、同じサクラなんて偶然だなと思った。
あたしの名前は亜弥のはずなのに、そう思ってしまう自分がどこか滑稽だ。
頭のどこかで、どこかのサクラさんは愛されてるんだな、と、そんなことを考えた。