チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
なんだかちょっと残念だった。今あたしが幸せだから、誰かを祝ってあげたい気分なのにな。
できればマモルを、祝ってあげたかった。
『何か欲しいもんある?』
「え?」
12月のカレンダーを見ていた所に、マモルが突然言った。
「欲しいもの?」
『うん。…って言っても、何あげれるわけでもないんだけどね』
久しぶりに、マモルの苦笑を聞いた気がした。なんだか少し懐かしい。
「欲しいもの…かぁ…」
ぼんやりと考えた。ベッドに腰をおろす。
「…空」
『え?』
「綺麗な空が見てみたいな。ほら、あたし東京生まれの東京育ちでしょ?四角い空しか見たことないんだよね」
空は昔から好きだった。寂しい時は、よく部屋から空を見上げた。でもその空は四角くて、あたしはいつも目一杯の空を見ることができないのだ。
『空、かぁ…』
「ね、マモルの住んでるとこの空は、広い?」
『…そうだね。東京に比べたら、十分広いよ』
「そっかぁ…。いつか見てみたいな」
ベッドから窓を開けた。暗い空。ここじゃ星は見えない。