チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
どうしていつもこんなにもマモルの声が響くのか、やっとわかった。
マモルは、あたしの味方なんだ。いつも、どんな時でも。
例えあたしが間違えてても、どんなに誰かに否定されても、それでもマモルは優しく言ってくれる。
『チェリ』って、いつも。
側でいつも、囁いてくれる。
「…マモル」
『ん?』
「あたしも…マモルの味方だからね」
目を閉じて囁く。携帯を耳に当てたマモルは、少し驚いた表情をして、それで少しはにかむように笑って、それでいつもの優しい声でそっと呟いた。
『ありがとう、チェリ』
会ったこともないあたし達。たった一本の間違い電話で繋がってる。
それでもこんなに側にいる。こんなにあたしを、支えてくれてる。
ねぇマモル。
あたしはマモルを支えれるかな。
あたしがマモルを必要な様に、マモルもあたしを必要としてくれる?
ううん、必要としてくれなくてもいい。それでもいいよ。
あたしはずっと、マモルの味方でいる。
例えマモルが、間違えたとしても。