【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
「…うん?…ああ…ごめん。
ぼんやりした。」

咲輝翔さんは

視線を戻して私に微笑んだ。

私は意を決した。

「…聞かせて下さい。
静花さんとの結婚の事と
戸叶さんて男性の事を…。」

「…羽美花?」

「…病院で言ってくれましたよね?
『ちゃんと話す』って…。
私知りたいです…。」

「…確かにそうだけど
羽美花はカラダ大丈夫か?
さっきから、たくさん話したり
聞いたりしてるから辛くはないか?」

心配してくれている咲輝翔さん。

でも、今日聞かなきゃ意味がない。

早く受け入れたい。

受け入れなきゃいけない。

それに私は…思い出した。

以前彼が

『…傷つくのは俺だけでいい。』

って言ってた事を…。

私はずっとあの言葉の意味を

スルーしてしまっていたけど

本当は彼のココロの中で

ずっと離れる事のない

悲しい過去かもしれないし

彼のココロの中で咲いている

花々からのSOSだったとしたら

私は逃しちゃいけない。

私のココロが暗闇で悲しかった時に

彼は救ってくれた。

光を与えて、温かさもくれた。

でも、そんな優しい人のココロに

塞ぎこまれた暗闇の世界が

存在しているのは悲しい事。

「…私は大丈夫です。
咲輝翔さんは私を選んでくれた。
笠置満と付き合っていた私の過去を
受け入れた上で愛してくれて
私は救われました。」

「…羽美花。」

「….正直、誹謗中傷されたり
嘘の復縁話をあの男性から言われた時に
咲輝翔さんは静花さんと
復縁するんじゃないかって
不安になったりもしたし
足元が揺らいで恐かった。」

正直、本当に恐かった。

でも、もう大丈夫。

私はあなたを愛してるから。

「…でも、私だって
受け入れたいんです。
咲輝翔さんとの将来を考えてるからこそ知りたいです。
愛してるからこそ…。
…だから…教えて下さい。
私はあなたの『天使の花』です。
咲輝翔さんのココロに
たくさんの愛の花を咲かせたいです。」

私は自分の前に組まれていた

彼の手にそっと自分の手を重ねた。












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