Light and Dark
『……お願いします』
とりあえず適当に挨拶をして乗り込んだ。
助手席には航、真ん中の席には龍牙とわたしと久遠、一番後ろの席には陽向と優和。
運転席にはーーー…
「愛奈ちゃん、おはよう」
『あ…秀樹さん……』
運転手さんから声をかけられたかと思えば、運転手さんは秀樹さんだった。
「もう平気?」
『うん……ありがとう』
「いえいえ、どういたしまして」
話し終えると、秀樹さんは航と少し会話をして、車を動かし始めた。
そういえばどこに向かうんだろう?
誰かに聞こうと思い、左を見ると龍牙は目を瞑っていて眠たいのか寝ているのかわからない。
…ので、右に座っている久遠の服の裾を控えめに引いた。
「……?」
『久遠……どこに行くの?』