SOMEHOW
「そんなの聞く必要ないよ、理緒。・・・帰るぞ。」



そういって陸は私の手を引いて屋上から出て行こうとした。

私は裕也君が気になってチラッと後ろを振り返った。

すると裕也君も私の方を見ていたみたいで、目が合ってしまった。

なんだか急に恥ずかしくなって私はすぐに陸の背中を見つめた。

そのまま陸に手を引かれるまま私は屋上を後にした。



・・・どうしよう。裕也君に告白されるなんて思わなかった。

本当は嬉しかったよ?本当はYesと言ってしまいたかった。

少し後悔が残るけど・・・今は目の前の陸を大切にしなきゃいけないと思ったの。

あのまま裕也君を選んでいたら、きっと陸は傷ついた。

私は陸に寂しさを埋めてもらったのに。そのために付き合ってもらったのに。

だから私から振るなんて・・・そんなことできない。

明日、もう一度ちゃんと断らなきゃ。





そんなことを考えてたらいつの間にか私と陸は教室に着いていた。
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